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卒塔婆(そとば) 重之の場合2
2014-04-15-Tue  CATEGORY: 卒塔婆(そとば)
 ホラー劇場 第六回

卒塔婆1

 やがて墓場の敷地内にある寺院の中へ入ると、奥から住職がやって来た。

「いらっしゃい。お参りに来たのかね?」

 住職は優しそうなおじさんで、年齢は俺の親父と同じくらいだろうか。
 毛がふさふさしていて、ツルッパゲになっていない住職に、やや親近感を覚えた。

「実は……」

 セミは率先して、事の成り行きを住職に話した。

「なんという罰当たりな! それは、祟られて当然ですよ」

 住職は悲鳴に似た声をあげた。

「すみません。反省しています。なんとかなりませんか? このままじゃ……俺は呪いで殺されちまう!」

 俺は泣き出したいのを堪えて叫んだ。

「僕からも、お願いします。このままじゃ、僕も殺人犯になってしまいます」

 セミも必死で訴えた。
 住職は、わかりましたと肯くと、「そこに正座しなさい。ちゃんとお祓いをするから」
 と、俺たちを畳の上に座らせた。
 俺とセミは住職があげる読経に耳を傾けた。

「これで大丈夫。卒塔婆は、新しいものを作るから、君達が供えなさい」

 住職は筆で板に文字を書き込むと、半紙に包んで、俺に手渡した。
 俺は直ぐに住職の言われた通り、卒塔婆があったと思われる墓へ供えた。

「ふふっ。これで安心だね」

 セミがくすくすと笑った。

「ありがとうな」

 俺は安堵の息を吐き、セミに礼を言うと、彼と共に墓を後にした。


 エピローグへ続く

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